2025.03.03

「超!GINZA 魅惑のチリワインの夕べ」に、のん兵衛が参加してみた。

LSPの活動のひとつに同じ趣味を持つ人たちが集まるサークル活動というものがありまして、このたび「ワイン愛好家サークル」が「超!GINZA」(LSPメンバーが主体となって開催する趣向を凝らしたイベント)に名乗りを上げたそうです。なんでも今回の催しは「超!GINZA ワインナイト 魅惑のチリワインの夕べ」というではないですか。その体験記事を書かないかと打診を受け無類の酒好きである筆者は二つ返事で依頼を受託したのでしたが、なんせ「書く」より「飲む」が優先するたちでありまして、飲んでるうちに記事のことなどすっかり忘れて、暴飲暴食、歓談闊歩、何を飲んだのやら、見たのやらアルコールに飛ばされて結局記憶にとどまらず、執筆機能不全、非生産の醜態をさらすのではないかと自問するわけでございます。 そこでおずおずと「現場で僕もワインを飲んでいいんですかね?」とご依頼をいただきました記事担当者の女性に尋ねてみると「はい、当日はひたすら飲んでかまいません」とおっしゃる。そこまで言われたら男子として一歩も引くわけにはいかぬ。目指すはワイン酒と記事の両立。よし、と武者のごとく膝を叩き、筆者は戦場へと向かうのでした。

Dilettante Lab 代表 マーケティングディレクター
マーケティングディレクター

武井達也

武井達也さんのプロフィール:

マーケティングディレクター。企業・商品のブランディング/マーケティング課題のソリューション提供。電通在籍時はプランニングディレクターとしてクライアント業務に従事。さまざまな業種を経験。飲料等の商品開発からグローバル企業の五輪スポンサードにおけるROIアカウンタビリティ開発、高級輸入車販売会社のマーケティングコンサル等々を手掛けた。企業・商品ネーミング作品多数。JAAA論文銅賞受賞(2002年)。ディレッタント料理家、ライブ活動(ギタリスト)、JSAワインエキスパート、日本FP協会AFP。

310(さと)プラン
ビジネスプロデューサー、ウェブディレクター、ビジネスディレクター、プロジェクトコーディネーター

佐藤映仁

佐藤映仁さんのプロフィール:

国家資格キャリアコンサルタント。プロデューサー。デジタルソリューション企業顧問。電通は2001年1月に中途入社、2020年12月末早期退職。前職では、金融系やリクルートでの営業、2000年前後のデジタル黎明期では、複数ITベンチャーでのデジタルマーケティング・広告宣伝・企画営業を担当。電通入社後は雑誌局、デジタル関連局、プロモーション関連局にて企画営業やマネジメントを担当。在職中最終部署の広報局では電通ウェブサイトや、ウェブ電通報など、オウンドメディア企画・実施・運用・改修など全般を担当。元アイソバージャパン取締役。元電通テック(出向)事業統括。リアル・デジタルの複合的な視点で、プロデュース・プランニング・ディレクションを提供します。

前のめりになって会場に到着すると、こぎれいに白いテーブルクロスのかけられた立食台が8卓ほど設置され、その上にはすでにワイングラス、おつまみ用のプチトマトやカット済みのバゲット、ミネラルウォーターなどが用意されています。会場後方にはさらにローストビーフやチーズを取り分けるスペースにスタッフが待機しており準備万端。 肝心のワインはというと、正面奥の長テーブルの上。赤、白、ロゼのボトルがずらりと並べられブドウ品種とその原産地がわかるようPOPが添えられている。そのボトルの色合いや丸みを帯びた形状がまるで色街で客を寄せる娼妓のごとくなまめかしく、酒に溺れやすき輩を手招きしているようで、ごくりと生唾を飲む筆者、いてもたってもいられなくなるのです。 劣情を何とか追いやりつつ、会場を撮影したり、来場者と話をしているうちにいつの間にか現場は、人であふれかえるほどの密度を持つようになっていました。ざっと見ても5、60名ほどは集っているでしょうか。何度か訪れたことのあるLSPオフィスのこのスペースに、これほどの人が集まったのは見たことがありません。ここには今回の主催者である「ワイン愛好家サークル」のメンバー、および事前にLSPで参加希望を募ったワイン好き、あるいはLSPに関心を持つ外部の方々が参加しているとのこと。LSPはミドルシニアのセカンドキャリアをビジネスの面から支援する装置としてだけでなく、このような趣味を軸として交流するセカンドライフの豊かさも演出しようとしているのか、と改めて納得するのです。

さてそうこうしているとようやく主催者から開会の言葉が。今回提供されたワインは 「Cono Sur(コノスル)」というブランドのチリワインで意味は「南の円錐」ということだそうです。南向きの円錐の形をした南米大陸から世界に向けて、ワインの魅力を発信しようというビジョンを持ち1993年に設立されたブランドだそう(酔って忘れないうちにメモっておこう)。ゲストとしてご参加いただき、今回商品のご提供をいただいたコノスルの販売代理店の方がおっしゃるには今日は「BICICLETA(ビシクレタ)」というベーシックシリーズからその上の高級なシリーズまで、取り揃えてくださっているそう。気分が上がる。喉が鳴る。 まずは会場入口付近でふるまわれたスパークリングワインを片手に、スペイン語でいよいよ乾杯のご発声が。 「サル―!!」 宴の号砲が鳴りました。

今回ワイン愛好家サークルのマスターとして会を主宰していただいたのはLSP第一期メンバーの武井達也さん。氏は電通在籍時代からJSAワインエキスパート、唎酒師などの資格を取得し、ワインにとどまらずガストロノミー全般に深い造詣をお持ちの方です。そのご経歴からさぞやスノッブな飲酒感覚(?)を持つ人なのかと思いきや全くさにあらず。筆者が正直に「実は僕、お酒は大好きなんですけど、アルコールさえ入っていれば良しとしてしまうタイプで…」と話しかけると「ああ、それでいいんです。楽しんで飲めればいいんです」と朗らかに返してくれる。来場者の間を忙しく動き回る合間を狙って会話をさせていただくと、そんな持ち上げ方をしてくれるとても気さくな方でした。 来場者が(あえて筆者がとは言わない)、提供された様々な特徴のワインで次々に舌と喉を潤わせていく中、次第に会場は温まっていく。LSPメンバーと外部の方々の垣根も徐々にぼやけ会話が弾みだすわけです。会社員時代の同期だったメンバーのS君が、筆者をまだ面識のない人たちに引き合わせてくれたりする。それは単純に馬が合いそうな人に、という面もあれば、もしかするとビジネス的に今後タッグを組めそうな人同士を結び付かせようとする意図もあったり。そういった動きがそこここに見られてLSPのアクティブな人的交流の場となっている様子も垣間見えたりするひと時でありました。

さて改めて主役のワインたちの話に戻すと、前述したように今日は「Cono Sur」ブランドの「BICICLETA」シリーズをメインに様々なチリワイン品種を楽しめる会。筆者の貧弱なワイン知識と舌の経験値で一つ一つ味わいやルーツを語れば、あまりの無知をワイン愛好家の皆さんに指摘され炎上するに相違なくそこは避けますが、ただ酒飲みならどことなく一度は耳にしたことのある、赤ワインならカベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、メルロ、シラー、マルベック、カルメネール、、、。白ならシャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴィオニエ、ゲヴュルツトラミネール、、、。そんな品種を一堂にそろえ片端から実際に飲み比べができる、という試みは実に大胆でこのサークルの持つ人脈と実行力があってこそ実現できたのではないかと感じ入るのです。会場で無料で配布されていたそれらブドウ品種の特徴を書いたパンフレットがまたわかりやすかったのですが、なんでもコノスルからはこれら12種類のワインを飲み比べられるセット商品も販売しているもよう。これは記事作成のために改めて発注、再試飲しなくてはならぬと一人ほくそえんだり。

ふと気づけば熱気とともに催しのお時間も半ば過ぎ、良い具合にアルコールが会場全体に回ってまいりました。するとこれまた誰からか声を掛けられ、今日の出し物として実施されている「利きワイン、チャレンジ」に挑戦してみてはどうかと筆者は促されました。これはいくつかのワインボトルをラベルがわからぬよう布で覆い、利き酒をさせ、それがどのブドウ品種であるかを当てるというゲームであります。自慢ではありませんが、先ほども申しましたように筆者は酒にはアルコールさえ入っていれば文句を言わぬタイプ。どの品種か当てるというのは専門外でありまして、ともすれば上質なワインに対しての冒涜を侵してしまうことにならぬか躊躇していると、まあまあ、そう肩ひじ張らずにと言われ「まず白から」とグラスを渡される。そして差し出されたカードの5つの選択肢から一つをチェックするよう指示されました。筆者が感じたのは「うーん、美味い」ということのみ。途方にくれていると親切な女性が「それぞれ書かれているブドウ種の味の特徴から消去法的に可能性のあるものを残していくと良いです」とアドバイスをくれました。なるほど。とはいえ良くわからん。エイヤっ、こんな感じか。同様に赤もグイっと飲んで、オリャっとチェックする。ワインでこんな利き酒のお作法があってよいのかいなと我ながら情けなくなりつつも、もうその頃は酩酊の領域にたどり着いている状況、なにとぞご容赦くださいと心でワインに陳謝する。

その後は、また美味しいおつまみのチーズやローストビーフをいただきつつ、12種を制覇し、特別に用意してくださった更に上のランクのワインまで遠慮なくご相伴に預かりました。そしてはい、このあたりから筆者の記憶はだんだんと混濁していってしまうのであります。 ただとにかく覚えているのは、参加者全員がワインを楽しみながら、それぞれに熱く会話を交わしていたということ。この世代の人々が分け隔てなく豊かに時間を過ごしていたということ。もしかするとライフシフトの一つのヒントがここにあるのかもしれないと筆者が酔った頭でぼんやりと感知していたこと。 そしてもうひとつ、完全に酔漢となり果てていた筆者の耳に、突然自分の名前が読み上げられ飛び込んできたことです。なんと「利きワイン・チャレンジ」が見事正解だったもよう。 全くの想定外で呆気に取られていると、賞品として「Cono Sur ・BICICLETA」ワインを一本、素敵なロゴの入ったTシャツも手渡され、至上の僥倖。ううむ、酒の神は常に我とともにありか。と一人ほくそえむ素晴らしいワインの夕べでありました。 はてさて以上、のん兵衛視座の体験記事として成立しておるかどうかは、読者様の厳しい評価にゆだねさせていただきます。       (了)

ライター黒岩秀行