部活動が育むイノベーション人財

部活動をはじめとするスポーツ・文化芸術活動等に取り組む青少年に、これらの活動が自身の人間的成長に繋がることを自覚してもらうと共に、彼らのイノベーション人財としての価値を企業等に伝えて社会が部活動を支援する機運を高めるために設立された団体。それが、ニューホライズンコレクティブ(NH)のメンバーである山同真さんが立ち上げ、理事を務める一般社団法人キャリアスポンサーシップ協会(https://careersponsorship.jp/)です。

(株)エスアンドオー
プロデューサー、プロジェクト・マネジャー

山同真

山同真さんのプロフィール:
課題解決策の編集家。「なんとかする」プロデューサー。可能性に火を灯すトーチ師。次代の人と事業の価値を発掘し伸ばす、株式会社エスアンドオー代表取締役。慶應義塾高等学校/慶應義塾大学を卒業後、1988年、株式会社電通入社。マーケティング戦略プランニング、人事制度設計、ビジネスプロデュース、人財成長戦略設計などの経験を経て2020年「人と事業の価値発見と成長支援」を生業にする、株式会社エスアンドオーを創立。高校/大学と、体育会アメリカンフットボール部に所属。高校3年生時、主将としてチームを率い高校日本一を経験。

2024年2月7日キャリアスポンサーシップ協会は設立を記念して都内で“自発性を育む指導方法とアスリートのキャリア形成を考える”会と銘打つシンポジウムを開催しました。このシンポジウムのパネルディスカッションでは昨年2023年夏の甲子園、第105回全国高校野球選手権大会の決勝を戦った慶應義塾高等学校野球部の森林貴彦監督と仙台育英学園高等学校硬式野球部の須江航監督がパネリストとして登壇し、「自発性」をテーマとして討議がなされました。

森林監督が重視しているのは思考停止になってはいけないということ。例えば話題になった頭髪も坊主頭がダメなのではなく、野球部に入ったら坊主じゃなきゃいけないと思考停止になることが良くないのであり、何事も自ら考えて選択をすることが成長に繋がる、というものです。

そして須江監督からは部活動を体験してきた青少年の強みとして、数多くの失敗を経験していることが挙げられました。幾度もの失敗を経験する中で学びや工夫が生まれ、精神的な強さも備わっていることが社会に出た際の武器になる、と説いていました。

昨今の部活動において真に勝利を目指すためには、受け身ではなく自らの意志で発案し物事を推し進める力と意欲が必要です。その力と意欲の根源となるのは、「新しい価値を生み出せる創造力」「従前の常識を疑う思考性」「課題発見力」「課題解決力」「リーダーシップ」「熱い情熱」「強い達成意欲」といった自発的な能力「=自発性」。山同さんが立ち上げた同法人はそのように説明しています。このように、高い目標に向かう日々の活動の中で自発性が行動習慣として備わる「イノベーション人財」が育まれることこそが部活動の価値としています。

キャリアスポンサーシップ協会は、「自発性」を育む環境をつくること(Coaching )により、青少年一人ひとりの心に火を灯し(Torching)、いずれその青少年が活躍する場である社会(企業)とのより良い出会い(Matching)を創出することを理念とし、部活動などに取り組む青少年とその指導者、そして企業をはじめとする社会の三方良しの循環によるイノベーション人財の社会への輩出を目指しています。 イノベーション人財を育むための具体的な取り組みの1つとして、異種目、他大学の学生を混ぜ合わせての相互交流と情報共有、そしてキャリア形成支援のためのゼミナールの実施を目指しています。「KACHI塾」と銘打つ予定のこのゼミでは、勝利を目指す学生たちにとっての有益な場になることに加え、彼らの社会人としての価値を高められることを目指し、「勝ち」追求の先にある「価値」を高められる場を企図しています。

また、こうした活動を通じたイノベーション人財の価値の言語化によって、自発性を備える部活動の価値の適切な評価を促すとともに、企業等の社会に対し部活動へのスポンサードも喚起します。 企業が部活動を支援すれば、その企業に対するロイヤリティは学生だけでなく、その家族やOB・OGからも高まります。その結果、企業は業種によっては長期にわたって高いロイヤリティを備えた優良顧客を獲得できる可能性も高まります。そして何より、部活動を通じて社会で活躍できる素養を身に着けた青少年たちとのマッチング機会となります。この「課題感を持ち、自ら考え、周囲を巻き込み実現する力を有する」イノベーション人財は、この正解のない時代にこそ社会が求める人物像であるはずで、キャリアスポンサーシップ協会はこうしたマッチングを促進するために、就活生向けの合同企業説明会を開催するなどの取り組みも実施していきます。 山同さんは更なる好機も生み出そうとしています。このようにして企業の支援を受ける部活動に属する学生たちは、その企業の看板を背負う立場にもなります。支援を受けることで生じる社会的責任と自覚を持った行動は、一般学生にはそうそう経験できるものではありません。こうした循環によって彼らには自ずと企業や社会が求める社会性、支援と貢献の関係も備わっていくのです。 このような部活動が育むイノベーション人財の成長支援や出会いの価値に魅力を感じ、既にキャリアスポンサーシップ協会には数々の有力企業から支援の申し出が届いています。山同さんは今後もこの輪をどんどん拡げていくことによって、スポーツ・文化芸術活動が、自発性を身に着けた人財を社会全体で協同して育て活かしていく循環型社会の実現を目指し活動を続けていきます。

<プロフィール> 山同 真(さんどう しん) 『次代を拓く「人」と「事業」の価値を発見し伸ばす』をビジョンに、電通勤務時代の 人財戦略設計の経験/ビジネスプロデュースや事業戦略プランニング実績を活かしながら、 未来を拓く人財の育成・成長支援と、世の中を良くする事業・企業の成長支援で活動中。 人財成長支援では 「前例のない世の中に、自身の人生を自発性とともに生きられる人を育てる」をテーマに 未就学児から社会人までの育成事業に取り組む。 事業成長支援では 「価値とは、創造するものではなく発見するもの」を信念に、事業や企業の『社会価値』を 内部に発見し、成長の仕組み化に取り組んでいる。 株式会社エスアンドオー 代表取締役 株式会社きかくのがっこう 代表取締役 一般社団法人キャリアスポンサーシップ協会 理事 公益財団法人日本フィランソロピック財団 シニアオフィサー ニューホライズンコレクティブ合同会社 プロフェッショナル・パートナー 趣味はゴルフ。 一般社団法人日本プロパッティング協会所属 パッティングプロ

ライター河合 洋一