コンテンツ開発の新たなる挑戦。『つんく♂×ハロヲタ・ユーチューバー』

エンターテイメントプロデューサーとして確固たる地位を築いた「つんく♂」さん。現在、「つんく♂エンタメ♪サロン〜『みんなでエンタメ王国』」というサロンをオンライン展開しています。今回は、そのサロンのコンテンツプロデュースのお仕事を紹介します。


プランナー/プロデューサー

風間英之

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風間英之さんのプロフィール:

ファン・マーケティングのプロデューサー/プランナー/アドバイザー(主にライブ・エンタメやスポーツ)。直近の仕事は、つんく♂エンタメサロンでのコンテンツ・プロデュースや岐阜県立森林文化アカデミーmorinosのアドバイザリー業務等。

お仕事の内容

このサロンは、月1回生配信を行っている。アイドル・ミュージシャン・映画・ゲーム・Ⅴチューバーを生み出すクリエーターと、それを応援するサポーター達が新しいトライをしていく、というコンセプトで運営されている。 その企画の1つとして、NHの風間さんに「おもしろいアイデアがあったら提案ください」という相談があった。 そこで風間さんが企画したのが「つんく♂×ハロヲタ・ユーチューバー」という企画である。 サロンの主催者である「つんく♂」さんと、つんく♂さんがプロデュースしたハロー!プロジェクトのオタク系ユーチューバー、略して「ハロヲタ・ユーチューバー」が、直接対談してサロン向けに生配信するという企画。そして、この企画は、3組のハロヲタ・ユーチューバーの交渉に成功し、2021年4月から3回シリーズで実現した。大変好評で、今年も継続している。

風間さんが「つんく♂エンタメサロン」に提案した企画書の1ページ :ハロヲタ・ユーチューバー候補

この企画の狙い

風間さんにこの企画の狙いを伺った。 ファン・マーケティングにおいては、事業者やメディア以外からのコンテンツ発信も重要。関係者個人やファンからも様々なコンテンツが発信されることで沼はさらに深化していく。さらにどっぷり夢中になっていく。 そのコンテンツの発信者は大きく4つに大別される。ハロプロを例に挙げれば以下のようになる。 ➀演者:ハロプロメンバー ➁運営:クリエーター/スタッフなど EX. つんく♂さん ➂著名人ファン:芸能人/文化人など EX. ハロプロ大好き芸能人 ➃インフルエンサー(一般ファン):You-Tuberなど EX. ハロヲタ・ユーチューバー この中で➀〜➂までは、同じ芸能界、マネジメントが可能。➃の一般ファンのマネジメントは不可能。というのがこれまでの常識である。 よって、タレント、クリエーター、著名人ファンらがコラボして更なるコンテンツを作っていくことはこれまでも数多く行われてきた。例えば、ハロヲタとして有名な芸能人の方がハロプロメンバーと共演するコンテンツなどである。一方で、インフルエンサー(一般ファン)とコラボするというコンテンツはほとんどない。特に、クリエーターとファンのコラボは前例がない。この初のトライが『つんく♂×ハロヲタ・ユーチューバー』である。 業界関係者ではないファンとつんく♂さんとの約1時間の生対談。 このトライのメリットは、圧倒的な情報量を持ったヲタとのディーブな話が聞けるなど、様々あるが、最大のポイントは「計算しきれないドキドキ感」だと風間さんは語る。

この仕事で最も印象的だったこと

続いて、この仕事で最も印象的だったことについても、風間さんにお聞きした。 「結果的には、出演頂いたハロヲタ・ユーチューバーの皆さんはとても素敵な方々で、今でもヲタ仲間としてお付き合いさせていただいていますが、当時の準備段階では、You-TubeまたはTwitterで発信された情報でしか知らない方々にコンタクトを取りました。このオファーをポジティブに受け取るかどうかも、どのようなリアクションをされるかも分からず、正直ドキドキでした。そこはリスクを承知で交渉を進める、という腹のくくりを自分もしたし、つんく♂さんサイドにもしてもらいました。過程も仕上がりも未知数なことだらけだったけれど、つんく♂さんが「やろう!」と言ってくれました。」 と風間さんは、笑顔で語ってくれた。 風間さんの熱が、つんく♂さんの判断を生んだのだろう。 ちなみに、ハロヲタ・ユーチューバーの対談候補の方々に対して「はじめまして。風間と申します。つんく♂さんとの対談ご興味はありませんか」とアプローチした際には、毎度いたずらだと疑われたそうだ。

風間さんがつんく♂エンタメサロンに提案した企画書の1ページ ※ハロヲタ・ユーチューバー(対談候補者)へのオファーに関して

風間さんのビジョン

風間さんは、ライブ・エンタメ業界のファン・マーケティング・アドバイザーとして、日本のライブ・エンタメ文化発展への貢献を目指している。 風間さんはファン・マーケティング・アドバイザーとして3つのテーマを持っている。 1つ目は、「三方よし」を目指す事業者のサポートをする。ここで言う、三方とは、事業者と演者とファンである。そうでない事業者の仕事は請け負わない。 そして2つ目は、育成事業のサポート。芸能スクールやプロを目指す女子ゴルファーのプラットフォームなどの仕事もしている。 最後に、自らも一人のファンとして、ファン起点のコンテンツやプロジェクトのプロデュース。消費(お金を落とすこと)は当然として、ファンによる消費以上の活動=『超消費活動』へのトライをしている。 『つんく♂×ハロヲタ・ユーチューバー』企画は、「三方よし」を目指す事業者のサポートであり、『ファン起点』へのトライと言える。

最後に

今回のインタビューを通して、風間さんから「ドキドキ」という言葉をたびたび聞いた。「よく実現までしたなとドキドキした」「みんなでドキドキした」と語ってくれた。不安や苦労など色々あったと思うが、それこそが楽しいのだろう。 そして、風間さんは、「初」にこだわる。それは「ドキドキするから」だ。「これまで見たことのない取り組み、エポックメイキングな取り組みにトライしていきたい」と熱く語ってくれた。 これからの風間さんのこれからの活動に益々関心が高まる。

参考動画:

『つんく♂×ハロヲタ・ユーチューバー』は、つんく♂エンタメサロンのメンバーになりますと、本編をアーカイブにて視聴できます。 https://community.camp-fire.jp/projects/view/198719/ また、各ダイジェスト版はYou-Tube、下記URLにてご覧になれます。 なお、ダイジェスト版を含む関連動画の累計再生数は25万回以上(2022年8月現在)。 『つんく♂×Midnight坊主。』 『つんく♂×Metくん』 『つんく♂×クニオ』 『つんく♂×Metくん』第2回

取材・文重田 麗子